
STILE F POP UP STORE with WELD SHOEMAKER & SENSO del MARE.
現在中国 / 四国地方では唯一TIE YOUR TIEを取り扱う、フィレンツェの歴史あるファッションをハウススタイルとして展開されているSTILE Fさんが、11月20日より約1ヶ月にわたり徳島県でトランクショーを開催されます。
ご厚意により、SENSO del MAREのサンプルを置かせていただけることになりました。香りをお試しされたいお客様は、期間中是非お越しください。
※販売はしておりませんので、ご購入いただける場合はECよりご注文いただきますようお願いいたします。
【STILE F Pop-up Store in TRIANGLE】
期間 :11月20日 (日)~
12月25日(日)
場所 :TRIANGLE
徳島市北田宮2丁目7-63
営業時間:
平日10:00~15:30
土日10:00~18:00
定休日 :月・火曜日(イベント等でお休みの日があります。TRIANGLE様のHPでご確認下さい)
・STILE F
メインとして展開されていらっしゃるブランドがTIE YOUR TIE。
つい10年ほど前まで、クラシックファッションの情報原は基本的に雑誌しかありませんでした。少ないメンズビジネスファッション誌の中でも、ヨーロッパのクラシックスタイルを特集するものは更に少なく情報希薄ではありましたが、その状況でも勉強しているうちにあるブランドの存在を知りました。
それがTIE YOUR TIEです。
TIE YOUR TIEの創業はイタリアのフィレンツェ。ここは職人の町で、歩けば至る箇所で手作業仕上げの革小物やジュエリーなどが販売されています。有名なサルトや注文靴屋では高い確率で日本人の職人が働いており、現地在住の日本人とよくすれ違う町です。
創業者であるフランコ•ミヌッチ氏は、クラシックファッション界ではフィレンツェスタイルを確立されたレジェンド的存在の方でした。
フィレンツェから日本に上陸してきたこのブランドは、かつてアットリーニやキートンなど超高価格帯のブランドを並べた「日本一高い洋服屋」という名声とともに、ブランドのアイコンであるセッテピエゲという裏地無し芯無しのパターンによる、スカーフのように柔らかい仕立てのタイを日本に広めました。
クラシックファッションが好きな方は、必ずTIE YOUR TIEのタイを持っているはずです。というか多分以前はセッテピエゲの仕立てはTIE YOUR TIEでしか買えなかった記憶があります。どのブランドも芯と裏地があり、平面的で硬い質感の仕立てが一般的ですが、TIE YOUR TIEはそれらとは全く違いました。初めてセッテピエゲを買って首元に巻いた時の印象は、柔らかすぎてノットが難しいと感じたことをよく覚えています。コツが必要で、実際今でも生地によっては苦戦します。
フランコ•ミヌッチ氏のスタイルとTIE YOUR TIEを展開されているSTILE Fさんは、フィレンツェのように郷土に根ざした手作業の産業や自然と共存しながら満たされる暮らしを、ファッションというフィルターを通してこの瀬戸内海の地で反映させたいと考えていらっしゃるのではという印象を受けました。
瀬戸内海とイタリアは気候が近く農産物も共通点が多いため、イタリアのライフスタイルを日本国内で実体化させるとすれば、それはもうこの場所以外にありえないと思います。お会いする時にそういった話をさせていただきました。
・WELD SHOEMAKER / SPHERES GATE
2013年ごろ私が東京に在籍していた当時、SPHERES GATEオーナーの星出さんご夫婦が香川県で靴修理店を開業されたという情報を知りました。かつて都内に構える日本一のシューリペアショップに在籍されたお二人が、縁もゆかりもない香川県の地で開業されたと知った時、「またなんで香川県で?」と疑問に思いました。
高級靴を販売している店舗もなく、そしてユーザーもほぼ皆無であろうマーケットで靴修理業を営むことが、いかに希望性が薄くチャレンジングであるか、出身者である私としてはある種無理ゲーとも言える試みのように思えたからです。
星出さんご夫婦は開業されて10年目を迎えられたようです。
お二人の卓越した技術とセンスにより、マーケットを開拓されたことで「靴を修理して長く履く」という価値観を創造されました。これがお二人による功績であることは、これまで香川県の地で事業を継続されてきた実績が物語っています。言葉で言うのは簡単ですが、市場開拓は事業継続より更に難しいことなので、どれほど偉業なことか想像に容易いです。
靴修理店は全国に多数ありますが、その中で技術以外にファッションセンス、接客によるカウンセリングのスキルなどが備わった店はかなり少ないと思います。靴修理は修理してお客様へ納品した時がゴールではなく、それはむしろスタートと考えることが正しいです。
修理した靴をいざ日常で使用した際に、お客様が想像していた履き心地と相違があったり、靴の作りやライフスタイルには適さずミスマッチだったりと、納品した後に想定外のトラブルが発生する恐れは良く起こりうります。そこを星出さんご夫婦は長い経験と深い知見、そして想像力というスキルにより、お客様と靴に本当の意味で適した修理を提案してくださいます。
加えて更に星出さんご夫婦は、シューメイキングの技術も持ち合わせています。ご自身のブランドであるWELD SHOEMAKERのマスターピースラインは、工程の約95%をハンドで上げています。星出さんのクラシック/アメリカンヴィンテージの好みが落とし込まれた、土着的ですが古さを感じさせない美しさと堅牢性を兼ねたMade to Measureの靴です。(星出さんヴィンテージ好きで合ってますか笑?)当たり前ですが、靴を作れる方が修理をやれば更に高い境地の仕上がりが望めます。
だからこそSPHERES GATEさんの修理技術は本質的なのだと思います。
以上の説明から、東京レベルの技術とクオリティを持ちあわせた星出さんご夫婦が香川県に開業されたことは奇跡的であり、地方にとっては大変貴重な存在なのです。
今年より、WELD SHOEMAKERとSTILE FとのMade to Measureのモデルを開発されました。
WELD SHOEMAKER per STILE F
スエードを使用したローファー2型のモデルですが、スクエアトゥと絞り込んだべヴェルドウエストの美しさと、土臭く粗野な雰囲気で、自然の地に溶け込むような絶妙なバランスのモデルでした。
ビスポークシューズでも都会的で洗練された精密製品のようなラストを作るSHOEMAKERは多数ありますが、瀬戸内海近隣で履くには若干神経質すぎるというか、情景に合ってない感があります。この場所で暮らしているからこそ出せるニュアンスが落とし込まれたモデルなんだろうなと、拝見して思いました。
それで言うと、TIE YOUR TIEのセッテピエゲも、東京のような都会の地よりは海が身近に存在する瀬戸内海界隈の地の方が、ニュアンス的に合っている気がします。香川県に帰省してから先、気がつけばタイはTIE YOUR TIEしか着けなくなりました。
今回のSTILE FさんのPOP UP STOREでは、TIE YOUR TIEを始め、WELD SHOEMAKERさんのモデルにSENSO del MAREもサンプルを並べていただけるので、とても嬉しい状況となりました。
徳島県のお客様、是非とも試香していただけましたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします!
SENSO del MARE FOUNDER