Christopher Cross "Sailing" 1979

2023.06.25

Christopher Cross "Sailing" 1979

その昔、BRIOというライフスタイルマガジンが存在しました。

2002年、BRIOは80年代AORの名曲を集約した”Off Shore"というコンピレーションアルバムをリリース。
後にも先にも、雑誌による企画監修のコンピレーションアルバムなんてものはBRIO以外聞いたことがないので、珍しい逸品だったのではないでしょうか。

 

AORは70〜80年代にアメリカ西海岸を中心に世界的なムーブメントとして広がったスムーズ&メロウな音が特徴の、アダルティなロックミュージック。西海岸発祥ですから当然開放的な海の景色とよく合う曲調のジャンルです。

 


このアルバムは雑誌BRIO監修ということもあって、夏の日中から夕方そして夜にかけての時間の移ろいが選曲とプレイリストによってドラマティックに表現構成されています。その点で言うと本当に「コンピレーションアルバム」ですね。

 

発売時、私は中学生で夏休み。CDショップにて綺麗な海と夕陽、観覧車が写るノスタルジックなジャケットに惹かれ衝動買い。当然中学生がBRIOなんていうメンズラグジュアリーマガジンなど読んだこともなく、そしてAORというジャンルの存在すら知らない状況での購入でした。
アルバム内は自分が生まれる以前のリリース
曲ばかりだったのですが、聴いてみるとイントロやブレイクで流れる波の音、夏の青空と海を思わす爽快感と甘く淡い雰囲気のサウンドが、夏休みの時期も相まって非常に心地よく、まんまとハマって毎日部屋で流していました。
そして
このアルバムを買って以降、不思議なことにプレイリストの曲が起用されたCMや番組をよく目にする機会が増えました。(特に自動車メイカーのCM、あとタモリ倶楽部など)

調べたところ、リリースされた2002年当時はAORリバイバルブームの真っ只中だったようです。AORに限らずですが、確かに2000年代はEARTHとかBILLY JOELなどがCMでよく流れていた記憶があります。平成に飽き、歳を重ね仕事的にも脂がのってきたオジ様たちが、青春時代の音楽を今一度懐かしみたくて起用していたのでしょうか。

 

 今思えば、このアルバムを聴いたおかげで年上の紳士達との談笑に加わるきっかけが度々生まれ、その紳士達から「こういう映画がある」「昔このアーティストが流行った」と様々貴重な意見をいただく機会にも恵まれました。自分の人生において古い洋楽のバイブル的存在であり、「大人との接点」を提供してくれた大事なCDです(手元にないから多分失くしたっぽいけど)。

 

 

 

AORを代表するアーティストの1人としてChristopher Crossが有名です。

ハイトーンボイスと透明度の高い透き通った唄声が特徴の、AORを代表するアーティストとして有名です。

清々しすぎるこちらの曲を聴いてみてください。もうすぐそこまで迫る夏の夕方に聴くにはハマりすぎる曲です。

 

”Arthur's Theme (Best That You Can Do) / ニューヨーク・シティ・セレナーデ”

 

 

 

さて、タイトルにも書いたChristopher Crossの”Sailing"。
この曲は購入したコンピレーションアルバムに収録されていた曲でした。

よく通う(っていうか手伝ってる)オーセンティックバーのマスターに、
「夏やしこれがいいぞ」と言われ流してくれたChristopher CrossのCD。

Sailingの曲が流れた瞬間一気に中学生時代に購入したBRIOのアルバムを思い出しました。
夏の夕暮れと親和性が高く、”Sailing”というタイトルにふさわしい海と風を感じさせる曲です。

 

「曲はええけどな。歌ってる奴のルックスは悪いわ。」 

言われてみれば、散々聴いたSailingですがライブ映像を見たことがありませんでした。便利な時代で、YOUTUBEで検索すれば当時のLIVE映像が多数ヒットします。
こちらです。

 

”Sailing ”

 

 

あ、けっこうガチムチ系ですね。レスラーっぽい。
デカいなー。この巨体からあんな透き通った綺麗な美声が出るのもすごいっすね。

 

 

「SENSO del MAREと合う曲やろ。ええ感じや。」

そうですね。西海岸ではないですが、曲名もSailingですし。夏の夕陽と瀬戸内から吹くやわらかい北風と相性がいい楽曲です。

 

 

聴きながら作ってくれたカクテルはOLD FASHIONED。意味は「時代遅れ」。ビターを垂らした角砂糖の甘さと、オレンジライムによる柑橘の香りという時代遅れの味が、同じく時代遅れのAOR ナンバーとやたら合いました。


マスターの店はもうすぐ43周年を迎えます。香川県内に現存するオーセンティックバーの中で一番歴史が長く古い老舗であり、当時から設え、レシピ、サービスから音楽まで何も変わらず、何も変えず佇み続けています。店そのものがOLD FASHIONEDのような空間ですね。

40年以上もの長い間、事業を継続することがどれほど過酷なことか、今の自分では想像もできませんし、もしかしたら生涯未来永劫経験することは叶わないかもしれません。

この店ほどの境地に至れば、「時代遅れ」が逆にスタイルとなり、「昔のまま変わらない」ことそのものが価値となっています。常連様もそれを求めていらっしゃいますし、昔から流し続けている懐かしのAORナンバーが流れれば皆様カクテルと曲に酔いしれています。
私はAORをリアルタイムで享受していないため懐かしさに浸ることはできませんが、ただ古い映画や音楽のみが放つ色気や輝きに魅了される感覚はよくわかります。

 

最近腕立てして身体追い込んでるみたいです。

 

昨日、店を後にする際に「気をつけて出張行ってこい。」と言っていただきました。 

そうです、明日より湘南と東京へ出張に参ります。

初日は湘南です。いつも浴びる瀬戸内の北風ではなく、太平洋の南風を浴びてきます。(海行ける時間あるかな)
ずっと気になっていた湘南のオーセンティックバーもやっと伺えるので楽しみです。

一緒に事業を支えてくれている親友にも会います。

お取引先様も、ご多用中大変恐れ入りますが、お邪魔させていただきますのでよろしくお願いいたします。

 

1年ぶりの東京です。ハメを外し散らかして満喫して参ります!